おばあちゃんの好きなものって何だったんだろう。祖母の死。
2011年03月23日 公開

今日は亡き祖母の初七日。
話はさかのぼる。
1週間前の17日に母方の祖母が亡くなった。
その日の通夜で夜を明かし、
翌18日、お葬式で送って、火葬、収骨と無事にすますことができた。
孫の私が言うのも変だが、祖母は幸うすい人生だっただろうと思う。
大正・昭和・平成と時代の重みを背負って腰を曲げ、
小さな体がさらに小さく見えた、おばあちゃん。
明治生まれの関白亭主に、おばあちゃんがいつも怒鳴られる姿を見てきた。
孫が慕って寄ってくるようなこともなく、
子どもたちが遊んでいる様子をニコニコと眺めているそんな人だった。
晩年の15年間は体も弱って、認知症でホームに入所していたから、
孫たちと会う機会も年に1度あるかないか。
私が結婚して、ひ孫が生まれたことをわかってくれたかどうか。
祖母は戦後間もなく、当時としては遅い30歳で結婚し、
長女である私の母を生み育て、4人姉弟を嫁に送った。
祖母が作るカレーは誰よりもうまかった。
おばあちゃんの好きなものってなんだったんだろう。
最後まで、彼女が物を欲しがる姿を見ることはなかった。